宇佐見りん氏の複雑な心境
第164回芥川賞受賞作「推し、燃ゆ」で知られる作家の宇佐見りん氏が、実写映画化された自らのデビュー作「かか」について複雑な思いを綴りました。
彼女が発表した内容には、製作側との意見の食い違いや、映画が原作と異なる部分があることへの戸惑いが伺えます。
映画化に対する複雑な思い
宇佐見氏は、映画化が決まり最初は「実写化していただいてよかった」と感謝の気持ちを表しましたが、撮影後の内容変更に直面し、心に葛藤が生じました。具体的には、重要なストーリー要素やセリフが変更されてしまったことが痛みとなったのです。「こういうことを母が大切な主人公は絶対にしない」といった要望が叶わなかったことが、彼女の中での確固たる思いを揺るがしました。
SNSでの発信の危うさ
また、SNSでの発信について言及し、自作の評価を下げることへの懸念を示しました。多くの読者は映画だけを見る可能性があり、その際に原作に対する理解が不十分になることを心配しているようです。これは、作品が異なる解釈を受けるリスクを孕んでいるためです。
原作と映画の橋渡し
宇佐見氏は「だから原作も、映画も、どちらも楽しんでほしい」と呼びかけています。これは、対立するものではなく、互いに補完し合う存在として普及してほしいという願いに他なりません。もちろん、作品の出来には称賛の言葉も残しており、俳優の演技や制作の技術に対して感動したと述べています。
公開後の展望
今後の公開後には、感動した部分についての話をする機会を設けたいと願っているそうです。映画が公開された際には、宇佐見氏自身の体験や思いをより深く共有できることを期待しています。
デビュー作の特別な意義
「かか」は、宇佐見氏にとって特別な作品であり、彼女の作家としてのキャリアの出発点となりました。この作品がどのように実写化されたのか、観客としても非常に気になるところです。
私自身、このような作家の内面に触れることができ、非常に興味深く感じました。製作過程や作家の思いは、映画鑑賞の際に新たな視点を与えてくれるものですね。今後の上映が待ち遠しいです。
