【映画】『ONE PIECE』『SLAM DUNK』大ヒットの影で…なぜか羽ばたけない劇場版『ドラゴンボール』
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『ONE PIECE』『SLAM DUNK』大ヒットの影で…なぜか羽ばたけない劇場版『ドラゴンボール』
『ONE PIECE FILM RED』や『THE FIRST SLAM DUNK』など、次々と『週刊少年ジャンプ』漫画の映画化が大ヒットを記録している。そんな中、『ドラゴンボール』の劇場版だけはブームから取り残されており、興行収入の“格差”が生まれてしまっていた。
ジャンプ映画ブームから置いてきぼりに
日本映画界では、興収10億円でヒット作、50億円行けばその年の大ヒットとされることが多い。そのラインで考えると、「ジャンプ」アニメは大ヒットを連発している。
興行収入400億円を突破し、邦画の歴代記録を塗り替えた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を皮切りとして、2021年末公開の『劇場版 呪術廻戦 0』は137億円を記録。
また、2022年に公開された『ONE PIECE FILM RED』は190億円、『THE FIRST SLAM DUNK』も現在94.5億円を突破するほどの勢いで、歴史的大ヒットのバーゲンセール状態と言えるだろう。
しかしそこでほぼ唯一の例外となっていたのが、2022年6月に公開された『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』。原作者の鳥山明が自ら脚本とキャラクターデザインを手掛けており、力の入った作品だったものの、日本での興行収入は30億円程度にとどまっていた。
一応、海外での興行収入はかなり好調で、全世界累計で約70億以上とも言われている。そうなると、ますます日本でも“もっと売れるべきだった”という印象が強くなるが、数字低迷の原因はどこにあったのだろうか。
中年の「ドラゴンボール離れ」が深刻化
「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」が国内でウケなかった理由については、“古臭さ”を指摘する人が多い。
ネット上では、《ドラゴンボールは令和的なセンスについてこれない感じがする。スラダンは主題歌の使い方とかがオシャレだった》《ドラゴンボールは後付け設定やクソダサ演出が続いて中年ファンが離れたんだよな》《展開がワンパターンだからなぁ。観なくても何となく分かる感じがする》《正直、中年からすると空中で殴り合うバトル見せられても感情移入できないんだよな》などと指摘されている。
また、「ジャンプ」アニメの女性需要についても考察されており、《女性ファンが足りなすぎ。鬼滅や呪術の大ヒットも女性ファンのお陰なんだからそこに刺さらないとヒットは無理》とも言われていた。
たしかに「ONE PIECE FILM RED」は、これまでの劇場版とは違って女性キャラのウタを強く押し出しており、新たなファン層の獲得に向けた工夫が見られる。「THE FIRST SLAM DUNK」もまた、古参ファンではなく新規ファンに向けた作りとなっていた。
そもそも「ドラゴンボール」が連載終了してから、すでに30年近くが経過している。当時夢中になって読んでいたファンも中年を迎え、「かめはめ波」や「元気玉」では心が踊らなくなっているのかもしれない。
とはいえ、原作の時点で女性キャラの出番すらほとんどない作品なので、時代に合わせてアップデートするのはそう簡単でもないだろう。このまま昔ながらのファンと心中してしまうのだろうか…。
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